ここが、高エネルギー加速器研究機構か。
広いなあ。何々、見学コースもあるようだな。
物質を構成する、これ以上割れない粒子。
電子・陽電子衝突加速器実験により、大量に生成されたB中間子やタウ・チャーム粒子などの崩壊現象を研究し、粒子・反粒子の対称性の破れや宇宙初期に起こったはずの極めてまれな現象を再現し、未知の粒子や力の性質を明らかにします。それにより、新しい物理法則の解明を図り、宇宙から反物質が消えた謎に迫ります。
(引用: Bファクトリー研究 / KEK-HP)
ニュートリノが別の種類のニュートリノに変わる「ニュートリノ振動」と呼ばれる現象を世界最高感度で測定することにより、ニュートリノの質量や世代間の関係など未知の性質の解明を目指します。そして、ニュートリノの世代間混合とCP対称性の破れを探ることで、反物質の無い物質優勢の宇宙がどのように形づくられたのかに迫ります。
(引用: ニュートリノ物理の研究 / KEK-HP)
KEKの物質構造科学研究所では、電子加速器から発生する放射光や低速陽電子、陽子加速器でつくられる中性子やミュオンと呼ばれる粒子を使って、物質・生命の構造とその機能を、分子や原子のスケールで解明するための研究を推進しています。
(引用: 物質・生命の構造や機能の研究 / KEK-HP)
そろそろ何のことだかワカラナイですな。
要は何の研究をしているかというと…。
宇宙の始まりを解明する素粒子原子核の研究
物質と生命の構造や機能を明らかにする研究
・・・ということですね。
「物質」を形成する様々な「粒子」に対して、質量などの性質は同じで、電荷の符号がまったく反対の粒子のことを「反粒子」と言う。例えば、陽電子は電子の反粒子です。こうした反粒子が集まってできたのが「反物質」であり、宇宙誕生直後には物質と同じ量だけ存在していたと考えられています。
(引用: BelleⅡ実験 補足説明 / KEK-HP)
CPとは「C(荷電変換)」と「P(パリティ変換)」を合わせたもののことで、粒子の電荷などを逆にした上で鏡に移した像のように反転させる変換のことで、粒子を反粒子に変換します。CP対称性とは、粒子と反粒子のふるまいが同じであることを言います。しかし実際には粒子と反粒子のふるまいは異なっており、CP対称性は破れています。
(引用: BelleⅡ実験 補足説明 / KEK-HP)
●ビックバン(大爆発)によって宇宙ができる。
↓
●その時に、同じ量の物質と反物質ができる。
(対称)
↓
◎しかし、宇宙には物質ばかりでほぼ反物質がない。
(非対称→「CP対称性が破れている」と言う)
★なぜ反物質はほぼ無いのだろう? →
●「対消滅」- 物質と反物質は、衝突して、光(エネルギー)に変わり消滅する。「対生成」- 充分な光(エネルギー)は、物質と反物質のペアを生み出す。
↓
●同数で生成された物質(粒子)と反物質(反粒子)が
対生成と対消滅を繰り返す。
↓
◎10億分の1の差で対消滅がおこらず、物質が余る。
★なぜ余る(アンバランスが生じる)のだろう? →
◎物質と反物質の寿命(崩壊確率)が違うから、対称性が守られないのではないか。 (鏡像関係でなければならない対称(粒子)が先に死んじゃってるようなイメージ…)
↓
●粒子の崩壊事象や崩壊確率を測定。
(CP対称性がどの程度破れているのか調べる)
↓
★そして前述のBファクトリー等の実験が続くのであった…。
●小林・益川理論(1973年に発表)
クォーク(素粒子)が3世代(2種類で1世代)あり、6種類あればCP対称性が破れが起こる。
↓
●Belle実験
KEKB加速器を使い、CP対称性が破れを再現する。
Belle測定器でそのデータを収集解析。
↓
●実験結果をもとに、小林益川理論を検証、ほぼ実証。 (小林・益川博士、2008年ノーベル物理学賞受賞)
KEKでは、最先端の大型粒子加速器を用いて、宇宙の起源、物質や生命の根源を探求しています。研究者の自由な発想による「真理の追究」を目指して研究開発を推進しています。
(引用: KEKのめざすもの / KEK-HP)
世界一の加速器を実現することで、それまで誰も知らなかった普遍的な真実を最初にみつけるということがKEKが化学に貢献する方法です。
(引用: KEK2016要覧/山内正則)
02年にノーベル物理学賞を受賞された小柴博士は何の役に立つのかという記者の質問に以下のように答えた。
「かつて電子が発見された時、それが何の役に立つかわかるものは誰一人いなかった。しかし現在、我々の生活の中で電子はなくてはならないものになっている。ニュートリノも今は何のやくにたつのかさっぱりわからない。でも何十年後、何百年後に、電子と同じようになくてはならないものになっているに違いない」
(引用: すごい実験/多田将,P12)
ほー、いいこと言うなあ。人間たちの未来なんて、ちょっと先のことですら推測していても当たらないものね。
宇宙とはまだ5%しかわからない。
(引用: すごい実験/多田将,P306)
重力波、あったんだね〜!
宇宙はどうやってできたのかはわかりつつある。
では、そもそもなぜ宇宙は存在するのか?
我々が存在する限り、何か理由があるはずだ。
究極の疑問だな。
「CP対称性の破れ」の研究もまた、その謎を解く鍵のひとつとなるだろう。
対消滅?
ワカラナイようでもあり、
ワカルようでもある...?
●神はサイコロをふらない:
不確定性原理に、アインシュタインが反論した時の名言だそう。
要は確率論が主流になりつつあるなか、万物にはかならず法則性があると言いたかったよう。
重力波のように彼の閃きがおいおい証明されたら面白いなと思いつつ。
●シュレーディンガーの猫:
シュレーディンガー(理論物理学者)が、量子力学の確率解釈の問題点を例えた思考実験。
猫が死んでしまう装置の中に猫をとじこめる。いつその装置が作動するかは確率的で推測できずわからない。
ある時間で蓋を開けた時の猫の状態は、生きているか死んでいるかの二通りしかない。(何%死んでいるとは言わない)
閉じた箱の中は、生きてもいないし死んでもいない→重なり合った状態はありえない。(けど断定できず未解決だそう)
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