旅ゆけば〜するがのぉ〜くにのぉ♪
おーいキタさん、こっちこっち。
なんやねん、ヤジさん。
ほら、なんか見るみたいでっせ。
よっしゃ、ついてこか。
エンドウの交配実験をし続けて、その遺伝の法則性を発見したっちゅう遺伝学の始祖やね。
まあ、死んでから再発見されたんだけどね。よく知っとるな。
ワシら生まれた時からよー知ってますがな。
非常に珍しいオスの三毛猫のはく製~どうして珍しいの?~
三毛になるのは、毛色を決める遺伝子のひとつ(o遺伝子)がX染色体に乗っているためです。
哺乳類のメスは二本の染色体を持ちますが、一方のX染色体の遺伝子のみが活性をもち他方は不活性化されます。
どちらが不活性化するかは決まっておらず、同じ個体でも不活性化の方向は細胞ごとに異なります。
O(+)遺伝子は、毛を茶色にするB遺伝子の働きを抑制して黒毛にします。一方、O(-)遺伝子はBを抑制できず茶色にします。
0(+)/O(-)の組み合わせのメスでは、どちらのO遺伝子が働くかがランダムに決まるため、ある細胞では茶気、別の細胞では黒毛、といった斑模様ができます。
これに白斑を生じるもうひとつ別の遺伝子が組み合わさることで、茶・黒・白からなる三毛猫になるのです。
Y染色体O遺伝子をもたないため、上記のような現象は起こらず、XYのオスが毛色の組み合わせは最大2色です。
ただ、X-Y間の組替えでO遺伝子をもつY染色体が生じたオス、また染色体異常で生じるXXYのオスは三毛になる可能性があります。
オスの三毛猫が珍しいのはそのためです。
国立遺伝学研究所の部長だった駒井卓は、猫が三毛になる遺伝学的しくみに関する学説を、1956年にジャーナル・オブ・ヘレディティ誌上で発表しました。(展示説明より)
なんやややこしいでんな。さっぱりわかりまへん。
ようは、クラインフェルター症候群という染色体異常によってオスの三毛猫が誕生する。その確率は3万分の一らしいよ。
そうでっか。遺伝に関するわかりやすい事例なんかもしれまへんけど、まあ、気の毒なような、誇らしげなような。
生物遺伝資源(バイオリソース)事業
学術研究用生物系統の開発、収集、提供を主体としたバイオリソース事業を展開し、全国の中核拠点として機能しています。
内閣府日本医療研究開発機構NBRPの生物種別の中核代表機関としても活動し、さらに情報センターとして大学等と連携してバイオリソースデータベースの構築と公開運用を進めています。(生命科学を支える知的整基盤整備事業/2016要覧)
私が科学雑誌に発表したのが1866年。 遺伝学というものが、150年後まさかここまで隆盛すると思わなかった。いまや生物だけにおさまらず、医療や農工業にも広く応用されている。
ちっさなエンドウからえらい色んな芽が発芽して実りましたなぁ。
おっとこちらも、かの有名なダーウィンさんではないかいな。「種の起原」も知ってまっせ。
生物ってのは、共通の祖先から枝分かれして、自然淘汰されて進化してきた。
やっぱり体はチンパンジーではないんですな。
あたりまえだ!
ここの木村資生(国立遺伝学研究所名誉教授)氏が、それに対して「サバイバル・オブ・ラッキエスト」と言って、適応上とくに有利でも不利でもない、分子進化の「中立説」を発表(1968)して、国際的な大論争を巻き起こしたんだ。
はいはい、それも存じております。結局現代では、分析技術が進み、定説となったとか。
国立遺伝学研究所 第2代所長 木原均さんの遺伝学研究室に所属してはったんですよね。
日本列島本土人の成立
日本列島の本土人は、縄文人と渡来人の混血だと考えられています。
斎藤教授らはアイヌ人を縄文人の子孫、大陸の東アジア人を渡来人の子孫と仮定するモデルを用い、
ヒトゲノムのDNAデータから、本土人における縄文人の遺伝的割合はおよそ20%であり、
またアイヌ人と本土人の混血は、6~7世紀にはじまったと推定しました。
(最近の研究成果より/2016要覧)
少なくとも生命の優劣をつける為に研究したのではないのだが、宗教家には反発されるし、資本家や政治家には都合よく解釈されるし、完璧ではないから、なんだかんだあるけれど、いやはや、出版から160年ほどで、日本人のルーツまでさかのぼれるとこまできましたか。
そうでんな。まだまだ研究は続くと思いますけど、あらゆる生物の進化の足跡を知ることは、今後も続く環境変化の中で、生命がどう適応していくのかを知る事にもなるでしょうなぁ。
環境をどうすればいいのか、とも考えられますな。
細胞の中央に核があって、その中に染色体がある。 ヒト:46本中44本は2本ずつ対になっている常染色体。 残り二本が性染色体。男性がXY、女性がXX。
染色体をほぐすと二本鎖のDNAになる。 DNA分子はリン酸、糖、4種類(A,G,T,C)の塩基。
染色体。ああ〜♪、あなた色に染まりたい〜♪
二重螺旋構造は、1953年、分子模型を構築する手法を用いてクリックとワトソンによって提唱された。
遺伝子とはDNAの中にある、タンパク質を合成する設計図。DNAの中にある一部を指します。
遺伝情報は「DNA→(転写)→RNA→(翻訳)→タンパク質」の順で伝達される。この分子生物学の概念が「セントラルドグマ」クリックが提唱(1958年)
DNAはデータ(体を作りなさい等の情報)の入れ物で、RNAは、データをコピーして運んで、それをもとにタンパク質(体)を作るっていうイメージかしら…。
RNA制御による精子幹細胞の維持機構を解明
成人男性が50年以上の長期間にわたって精子形成を継続的に維持できる理由は、精子幹細胞が自己複製と精子形成をバランスよく調整しているからです。
相賀教授らは精子幹細胞に発現するRNA結合タンパク質Nanos2がmRNP顆粒の機能を制御する緩衝因子として機能しており、
その発現量に依存した転写後調節機構で幹細胞能を制御することを明らかにしました。
(最近の研究成果より/2016要覧)
改めて、よくよく考えますと、これら生命の秘密をもはや常識として広く多くの人たちが受け入れてるのは、すごいことでんな。
それでもまだまだわかっていることは一部でっせ。生物がどんだけの時間生きてきたとおもてまんねん。
ゲノム:生物が生存するのに必要な染色体(DNA)すべて
DNAの情報はA(アデニン)、T(チミン)、G(グアニン)、C(シトシン)という4種類の塩基の配列順序によって区別される。
国立遺伝学研究所 第2代所長 木原均 コムギの祖先を発見し、ゲノムの概念を提唱した。 (ゲノムという呼び名を提唱したのは、ドイツの遺伝学者ウインクラー)
種無しスイカや、4倍体大根作った先生で有名ですな。
ヒトのゲノムの全塩基配列を解析するプロジェクト。
1991年から米英日仏独中で進められ2003年解読完了。
先端ゲノミクス推進事業
2011年度から、先端ゲノミクス推進センターを中心に活動しています。
これまでに、900検体を越える試料について最新のシーケンシング技術を駆使してゲノム情報を産出しており、学術分野における先端ゲノミクス推進の中核として事業を進めています。(生命科学を支える知的整基盤整備事業/2016要覧)
いやは科学の進歩の速さたるやすごいですな。
今やゲノムを編集して、食料や医療なんかに応用発展させようと研究しているとか。
このままいけば色々、小説や映画でみるような悪いことが起きかねないんちゃいまっか?
いや、科学に関わる研究者は常に生命倫理を問われ、真摯に人類の課題とむきあってると思うで。
まあ、いずれにしても、人間を中心に考えてるとは思いますけど。
研究所の故広田幸敬教授によるコレクション。 来訪した著名な研究者たちが記念に一筆書いた皿を焼いて保存。 全部で100枚以上ある。
ゴールドシュミットが所持していた学術論文のリプリントコレクション。
ゴールドシュミット(遺伝学者):進化における「有望な怪物(hopeful monster)」概念(跳躍論)を提案。
どんどん機械は進化し、研究は進み、これまでの情報は当然古くなりまんな。たしかに最先端が大事かもしれまへんけど、何をしてきたのか、道具ひとつでも実物みるとおもろいわぁ。
そうでんなぁ。先達のお話聞かせてもらってから見ると、なんとも歴史的価値っちゅうか、確かに実感がちがいまんな。
あ。
はあー。ほな、そろそろ帰るとするかいな。
帰るってどこに。
せやなぁ…。
はて、我々はどこから来て、どこへ行くのか。
偶々生まれて、
偶々ココにいるし、
それが問題だ。
今度生まれてくるときはヒトがいいなあ。
いやいやいや、あれはあれで大変みたいやで。 食いモンに困ったり、住むとこに困ったり、簡単に死んだり、なかなか死ねなかったり、波乱万丈を思うたら、わしらの一生とたいしてかわらんのちゃうか。
進化したほうがよかったんか、
滅んだほうがよかったんか。
命を正しく使う方法とはなんぞや。
生命の旅は続くのであった。
旅ゆけば〜ぁ♪ああ〜♪
※もちろん取材時に研究所でハエは飛んでません。あしからず。
地球の歴史は地殻の層にあり、
全ての生物の歴史は染色体に刻まれている。
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